臨海セミナーが誇る中学受験科の責任者たちが集まり、2024年の中学受験の振り返りや2025年に向けての準備や受験のアドバイスについて様々な角度から語り合いました。
【臨海受験道】2024年中学受験を振り返って 出演者紹介
2024年中学受験を振り返って
三武今年の中学受験結果について、いかがだったでしょうか。
佐野今年も多くの生徒さんが合格をつかみ、全体としての結果はとてもよいものになりました。国私立中では、聖光学院・栄光学園・浅野をはじめとした神奈川男子難関私立中に126名、フェリス女学院・洗足学園をはじめとした神奈川女子難関私立中に77名、神大附属・中大横浜・法政第二をはじめとした神奈川共学難関私立中に203名、全て合格者数を伸ばすことができました。
中でも、神奈川男子難関私立中と神奈川共学難関私立中の合格者数は、過去最高の合格者数となっています。また、公立中高一貫校では、東京都立中高一貫校の合格者が58名、神奈川公立中高一貫校の合格者が199名と、いずれも過去最高を大きく更新する合格者数となりました。特に、神奈川公立中高一貫校の合格者数をはじめ、横浜市立南高附属、神奈川県立相模原中等、川崎市立川崎高附属は、全塾中No.1※の合格者数にもなっています。国私立中受験と公立中高一貫校受験、それぞれに特化したコースを設置し、経験豊富な講師陣によるきめ細やかな指導が生徒たちの努力の後押しとなり、見事な合格実績に結び付きました。この素晴らしい結果を、私たちも大変うれしく思っております。
※2024年2月、当社調べ。
※合格実績カウントルールに基づき対象となる生徒のみをカウントしております。
※合格実績カウントルールはこちら
三武受験動向等の分析については、どのようにお考えでしょうか。
河野中学受験と一口に言っても、男子校や女子校、それから共学、国立・私立、公立中高一貫校と、様々な種類の学校があります。先に全体像についてお話ししますと、近年続いていた受験数の増加はコロナ禍を経て、多様化する学習への対応、設備環境、教育理念などにおいて私学の価値が再認識された結果、更に増加を続けてきました。2024年入試においては、2月1日私立受験数の増加こそストップしましたが、少子化の影響もあって受験率は増加しました。今後もしばらく中学受験熱は高い状態を維持するものと思われます。
▲首都圏(1都3県) 募集定員・私立受験数(2月1日)・受験数比率推移※1
▲首都圏(1都3県) 公立小6児童数・私立受験率(2月1日)推移※2
三武私学の価値が再認識された結果というと、現在は私立受験が主流となりつつあるのでしょうか?
河野主流と言えるかどうかは分かりませんが、少なくとも公立中高一貫校は、全体的に受験者は減少を続けている傾向です。地域や学校によって詳細は異なりますが、2024年入試においても同様でした。とはいえ、倍率は多くの学校で4~5倍となっていて、国私立中学の倍率が2~3倍であるのに対して高い状態を維持しています。
三武男子・女子・共学という観点から考えるとそれぞれどうでしょうか。
佐野神奈川県の私立中高一貫の男子校は、10校あります。これは、女子校や共学校に比べると少ないです。しかしどの学校も独自の校風、大学進学実績、豊富な教育カリキュラムといった特色があり、存在感は大きいです。特に聖光学院・栄光学園・浅野の3校は全国的に見ても高い大学進学実績をもち、根強い人気があります。そのため、臨海ではこの3校を志望する方向けの講座を設置しています。例年に比べると、2024年は併願校のバリエーションが特に多かったように思います。開成→聖光→浅野や麻布→栄光→浅野→聖光といったいわば「受験日程黄金パターン」をはじめ、共学校や大学附属校も含めて、様々な学校を進学先として検討される方が多かった印象です。
河野女子においては、神奈川の受験者動向は、東京や埼玉ほど大きな変化はなく比較的落ち着いた状況でした。しかし、横浜雙葉の入試変更がトピックとして挙げられます。2月入試が2月1日と2日の複数回入試に変更されましたが、2月1日の受験者数は例年並みで、2月2日も2月1日とほぼ同数の受験者数となりました。横浜雙葉を第一志望とする方の動向に大きな変化はなく、受験校として検討されていた方の受験機会が増加した形となります。また、女子校の志願者の併願パターンは、バリエーションが多いという点においては男子と同様ですが、堅実な併願パターンを組むケースが例年よりも多かったようです。
共学については、昨年受験者増となった学校は今年は受験者減となったり、昨年が受験者減になった学校は今年は受験者増となる、いわゆる隔年現象により受験者が増減しているというのが全体的な状況です。ただ、横浜創英中学校はここ数年、受験者の増加が続いています。コースの新設や建学の精神に基づいた新しい取り組みが支持された結果なのだと思います。
中学受験の変遷
三武現在は入試制度の多様化が進んでいると聞きました。今までは算数・国語・理科・社会の4科目と、算数・国語の2科目の入試が主な受験科目だったと思いますが、ほかにはどのような入試制度ができたのでしょうか。
河野既存の4科・2科入試に加えて、単科入試、英語入試、適性検査型入試、奨学生入試、午後入試など多岐にわたっています。入試制度の多様化が進んだ背景には多くの事柄がありますが、影響の大きなものとしては、大学入試制度改革や公立中高一貫校の増加が挙げられます。
三武それほど入試を取り巻く環境が変わっていれば、4科目や2科目の入試にも様々な変化がありそうですね。
河野そうですね。ひと昔前までは、身につけた知識やテクニックの数が合否を分ける傾向にありましたが、未知の事柄に対しての理解とそれに対して思考する力が試されるようになりつつあります。
2025年の受験に向けて、求められる力とは?
三武2025年の入試に対して、何か変更点はありますか?
河野現時点で判明している2025年入試変更点として、日本女子大学附属中の算数単科の入試が新設されるなど、今後も学校や入試の多様化が進んでいくものと思われます。そして、現時点で判明しているものが来年の変更点のすべてというわけではありませんから、注意する必要があるでしょう。
三武具体的にどのように調べていくのがよいでしょうか?
河野ぜひ、臨海にご相談ください。臨海セミナーには入試情報センターという各学校の入試情報を収集している専門部署があります。一例を挙げるなら、東京都の公立中高一貫校において、昨年は9月の頭に入試要項が発表されました。この際に、今までは適性検査Ⅰ、作文において独自の問題を出してきた白鷗が、今回は東京都立の共通問題と同様のものを出すと発表があり、いち早く、臨海に通われている生徒・保護者に周知いたしました。いずれにしても、入試方法の新設などに伴い、受験生とその保護者の方にはより多くの選択肢がもたらされることになりますが、それぞれの決断を、学力UPだけではなく精神的な面から支えることができるようスタッフ一同努めて参りたいと思います。
三武入試に対する注意点はありますか?
河野学校も入試制度も多様的であるため、学校選びは大切です。将来の夢、中高の6年間とその先において学んでほしいこと、お子様の長所と短所、学校の教育理念など様々な要素を勘案し、その学校に入学したいという強い意思をお子様が持てることが理想的です。
受験生の皆様へ
三武受験生に向けたメッセージをお願いします。
大久保自宅では授業で習った内容の復習や宿題に取り組んでください。大切なのは解くことではなく、答え合わせと直しをすることです。また、臨海セミナーは1人1人にあわせた声かけを行っているので、宿題や学習方法について困っていることがあればいつでも先生に相談してほしいです。臨海セミナーの先生は、自分の将来のために「中学受験しよう」と決断できたみなさんを全力で応援しています。志望校合格に向けて一緒にがんばりましょう!
保護者へのアドバイス
三武保護者様に向けて、メッセージをお願い致します。
佐野最初に触れました通り、様々な学校を進学先として検討される方が多かったです。その分、各ご家庭と受験パターンを相談させていただいたり、一人ひとりの生徒に合わせた課題内容や指導内容を調整したりと、より細かな対応を心がけました。規模の大きな塾ではありますが、こういう細かいケアを大切にしていきたいです。
数字としては過去最高の結果となりましたが、全員が希望通りの進路を実現できたわけではありません。受験である以上、不合格になるケースはあります。講師としてそこにきちんと向き合いつつ、より効率よく合格できる指導、子どもの成長の機会となる受験を目指してスタッフ一同頑張っています。
大久保受験期の保護者の関わり方しだいで入試結果は変わります。ぜひ保護者の皆様には、お子様の精神的な支えになってあげてもらいたいと思っています。言葉にはしなくても勉強や受験に対して不安を抱えているお子様もいます。不安を十分に汲み取ってあげて、励ましてあげてください。また、褒められることはお子様のモチベーションに繋がります。何か少しでも出来ることが増えた場合は保護者の皆様から褒めてあげてください。
臨海セミナーでは実際に授業を担当している講師が、保護者の皆様に授業中の様子や学習状況を面談やお電話で伝えています。志望校や併願パターンの組み方についても確認しておりますので、何か心配なことがありましたらぜひ教室へご相談ください。
三武これから中学受験を始めようとしているご家庭に何かメッセージはありますか?
大久保これから中学受験の勉強を始めようと思っている方や、中学受験をするかどうか悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。中学受験科では、中学受験の勉強を始めるきっかけとして「チャレンジテスト」を実施しております。チャレンジテストは中学受験を目指す子どもたちの学ぶ意思を引き出すためのテストです。
受験日が選択でき、自宅受験も可能となっております。テスト受験後に結果を見ながら現在の学力について分析や学習相談も行っておりますので、ぜひチャレンジしてもらいたいです。
中学受験の勉強は低学年のうちから始めていただく方が負担が少なく、楽しんで勉強することができます。その勉強の楽しさを発見、引き出すための「パズル王」というイベントも開催しています。そして、中学受験の勉強に興味があるお子様を応援するべく、臨海セミナーでは習い事と両立できるよう、また少しでも早く勉強を始めてもらえるよう、「公立中高一貫特別割引」や「低学年特別価格」、「御三家算数特待」といったキャンペーンや特待制度をご用意しておりますので、是非ともご活用いただければと思います。
理科 ▶ リピートトレーニング
授業中に覚えられるように徹底指導します!
臨海セミナー中学受験科では、オリジナルの暗記用教材に『リピートトレーニング』というものもございまして、大変好評いただいております。模試では、聖光・栄光・浅野・洗足・フェリス・神大附属・中大横浜・広尾学園・東邦大東邦を対象とした難関中オープン模試や神奈川公立独自模試など、臨海セミナー独自のものを多数ご用意しておりますので、こちらも是非ともご活用下さい。
最後に
中学受験と一口に言っても、合格を目指して勉強していき、ただ試験を受けるだけのものではありません。その過程がお子様の成長の機会となり、学力面だけでなく人格的に大きくなっていくことも、中学受験の大きな意義です。受験する学校の特色も多様で、お子様の性格や将来の夢と、学校の教育理念とを照らし合わせながら、お子様にとって最良の選択肢を取ることができるよう、今後も臨海セミナーの中学受験科スタッフ一同、応援してまいります。
※1:森上教育研究所のデータを参照
※2:森上教育研究所のデータ・e‐stat政府統計の総合窓口参照