3月20日(水)に臨海本社にて、プロクライベント「50年後の建築物を作ろう‼」が開催されました。日ごろプロクラで培った知識や技術を使って、生徒が思い思いの建築物を制作しました。イベントの後半では、自分が制作した建築物をプレゼンしてみんなにアピール!会の最後には、作品賞(初級・中級)とプレゼン賞を参加者全員による投票で決定し、記念品を授与しました。
50年後の建築物制作開始‼
乗田先生の挨拶より抜粋
50年前はミスター巨人こと長嶋茂雄選手の引退、ノーベル平和賞を日本人で初めて佐藤栄作元総理大臣が受賞などの出来事があり、50年の時を経て横浜駅周辺も大きく発展してきました。そして、50年後にはどんな建築物ができているでしょうか。みんなの想像力をはたらかせて、ぜひ50年後の建築物を制作してみてください。
作業開始!予め自分のイメージを設計図に記載してプログラムを入力していきます。生徒の表情も真剣で黙々と作業を進めていました。途中で苦戦している生徒には、プロクラ担当講師がフォローをして完成に近づけていきました。普段は見せない子どもの表情に保護者も目を細めていました。
理想の建築物を作るために、エージェントに指令を送るプログラムを作成中。予めどういうプログラムを組むか考えてきたり、実際にプログラムを組んでいる時に改善してみたりして、みんな日ごろの授業で習った知識をフル活用して作業に取り組んでいました。上手にできるかな??
自分の作品をプレゼン発表
プレゼン用シートを作成して、みんなの前でプレゼンを実施!自分が制作した建築物のコンセプトやアピールポイント、作ってみての感想や課題等を自分で分析して発表しました。うまくできた生徒やドキドキ緊張した生徒もいましたが、みんなプレゼンがすごく上手でした。
各賞の受賞者発表!
参加者全員で投票を行い、厳正なる審査の結果、初級の部と中級の部の作品賞・プレゼン賞を決定し、賞品が贈呈されました。
作品賞(初級)
‐受賞者のコメント
平和の池を作成した理由は、今より建築物が発展するよりも世界が平和になっていると考えたからです。真ん中にあるマークは実際にある平和のマークです。コードを組むときに難しかったのは楕円の形になっているので、「繰り返し」の指令が使いづらく手間がかかったことに苦戦しましたが、うまく作れたと思います。
‐投票者の選定理由
- 平和のマークを入れていて良いなと思いました。
- 真ん中にマークがついていて、環境に優しくていいなと思ったからです。
- 平和をテーマにしていて、とてもきれいだったから。
‐乗田先生の講評
実際にある平和のマークをちゃんと調べてくれていたこと、プログラムで作るのが難しい円形の複雑な形のマークを1チャンク(16×16のマス)の範囲に綺麗に収まるように計画的に設計図を書いて作ってくれたことは本当に素晴らしい。そして50年後というテーマで何よりも平和を望んで平和の池という作品を作ってくれたこの感性、本当に驚きました。
作品賞(中級)
‐受賞者のコメント
この作品を作った理由は、土地がなくなってきているので空中に建物を制作することで解決できると考えたからです。また、移動もできるので行きたいところに行けるようになります。住み心地を考えて、内装もベッドや机など準備してあります。
‐投票者の選定理由
- 球を制作するコードで球を半分にするコードを作っているのがスゴイ。家の飾りもできているのが良い。自分も作ってみたい。
- 形が上手にできている。
- 自然のことをとても深く考えていたから。
‐乗田先生の講評
日本は島国で山も多く、人が住めるところが限られている。更には大都市に人が集中しがちというところに目をつけてこれら日本が抱える問題を解決できる素晴らしい発想だと思います。
中級ということで相対座標をうまく使い、空中に土地を作り、その上にディティールにこだわった家を制作してくれましたが、これをこの短いイベントの時間内で行うことは本当に難しいことです。しっかり完成に持って行けたのは事前に入念な計画を練っていたからだと思います。本当に素晴らしい。
プレゼン賞
‐受賞者のコメント
タワーの中にあるチェスト(宝箱)の中に街に立ててほしい建物を書いて入れると、その中から選ばれた建物が街に造られ、みんなが便利になると思ったからです。自分が思った通りに制作でき、途中で間違ってしまった所もしっかりと修正できたので、とても楽しく作れました。
‐投票者の選定理由
- 自分の作品に対して、非常にわかりやすく発表できていたと思います!
- なぜ、みんなの理想タワーを作ったのか、自分の考えをしっかりとまとめて伝えてくれました。
- みんなが便利になるという発想がよかったと思います。
‐乗田先生の講評
制作するまでに非常に複雑なプログラムを組む必要があったのですが、うまく授業の中で習ったコードを使ってスムーズに制作していました。また、建物のコンセプトも非常によく、みんなの意見をしっかりと街づくりに反映していこう!というところに皆さん共感を持っていました。プレゼンの中で、意図や希望をしっかりと伝えられたことが今回の受賞理由となりました。
【参加者の作品紹介】
※1:テレポートの略。プロクラでエージェントを自分の位置にテレポートさせるときによく使用する。
参加者の感想
‐今日の作品でがんばったところ・工夫したところは?
- がんばったことは、最初に始点をきめることです。
- 設計図を書いて、それを変えずに作ったところ。
- 賞品がもらえたこと、マイクラに集中できたこと。
- 黒と白の場所を決めていくところを頑張った!
- コードで繰り返しを使えるところが少なかったから、難しかったけど、家で作ってみたりしたので、設計図のものと同じにできた。
- 入口のコマンドブロックにすべてTPできるように、すべて座標をうったので、そこをがんばりました。
- 繰り返しとスロットを入れるのが大変だったけど、がんばった!
- イベントに参加できてうれしかったし、今までで一番楽しかったです。
‐今日の発表でがんばったところ・工夫したところは?
- 僕は発表が苦手なので、とても緊張してしまったけど、間違えずに発表できました。
- 緊張したけど、しっかりと言えたこと。
- わかりやすいように話をすることができた。
- 難しかったところとか感想もすべて言えたので良かった。
- みんなに、TPする仕組みやどうしたのかを伝わるように実演して伝えることができました。
- 緊張したけど、いい発表ができた!
参加された保護者の感想
‐本日のイベントに参加されていて、いかがでしたか?
- プログラミングは根気のいる作業ですが、上手くいかなかった時も、どこが間違っているのか探して訂正して、ずっと集中して頑張っていたと思います。そんな子ども達の姿を見れて、とてもよかったです。
- 面識のない人たちの前で発表する機会があるのは、本人の力を試す場としてよかった。参加させて良かった。
- プログラミングの制作をじっくりと見る機会がなかったので、良かったです。細かい不具合を根気よく頑張って修正したりする姿に感心しました。発表では、皆さんしっかりと自分の作品について説明できて発想もよかったと思います。
- 普段、しゃべってばかりの子が黙々とパソコンに向かっている姿に、プロクラがすきなんだなと感じました。子どもたちのアイディアがいろいろあり、発想などに驚かされました。
- 失敗を繰り返しながらも終始集中できていたところは、褒めてあげたいと思う。他の生徒さんたちも、とても熱心でマナー良く素晴らしいと思った。
- 堂々と発表する姿は、とてもかっこよかったです!
- 50年後が平和であると願う発想、考え方に感性の道が開けていると思いました。今後に期待したいです。しっかり発表できていたことが、成長を感じました。
- 子どもの近くで見学させてもらえて、親も楽しめました。
- 今回のイベントは子どもにとってとても良い経験になったと思います。普段の授業とは違う環境、テーマで本人は緊張しながらも楽しくできたようです。途中上手くいかず時間内に形にできるか親も子もハラハラしながら見守っていましたが、無事完成させられて、ほっとしました。
主催者からのコメント
正直大人でも難しい内容ですが、これを小学生の子ども達にやってもらいます。はっきり言って「こんな難しいこと子ども達にできるかな?」と私も心配でした。しかし、杞憂でした。
子ども達は Minecraft が本当に大好きでこの Minecraft の世界で作りたいもの、表現したいものがたくさんあるんです。この自分が作りたい・表現したいものを実際に形にするにはどうすればいいか一所懸命考えて、学んだプログラミングの知識を使って作ってくれるんです。結果、プロクラではプログラミングの知識を身に付けるだけでなく、
- 自分で考える
- 習った知識を活用する
- 習った知識を組み合わせる
というプロセスを誰に言われるでもなく、子ども達自ら身に付けてくれるんです。これはプログラミングだけでなく、教科学習科目や、もっと言えば子ども達が将来社会に出ていく中でも非常に役に立つことだと考えています。
臨海セミナーがプログラミング講座「プロクラ」を実施しているのは、もちろんプログラミングが教科として必修になったこともありますが、それ以上に、将来を担う子ども達に社会に出て役に立つ力を身に付けて欲しいという想いがあるからです。
2020年度に小学校でプログラミング教育が必修になったのを皮切りに、2021年度には中学校で内容増加、2022年度には高校でも必修となりました。2024年度には、大学入試共通テストの科目としてプログラミング内容を含む「情報」が科目化しました。
また、2022年4月に文部科学省主導で実施された小学生向けの全国学力・学習状況調査で、算数の問題としてプログラミング内容が出題されたのを鑑みると、国全体でプログラミング教育に力を入れたいというメッセージが読み取れます。
スマホの普及や自動車の自動運転、VR・AR技術の発展、サブスクリプションビジネスの伸張、テレワーク、AIの目覚ましい発達など、現代は技術面でも生活面でも非常に変化の激しい時代と言えます。
このような変化の激しい今の時代を生きるために、「自分で目標や目的を設定し、変化に柔軟に対応していく力」、「ゴールから逆算して考える力」が必要になってきています。
日本のIT人材育成経済産業省の試算では、2030年時点でIT人材が少なくとも16万人不足、最大で79万人不足するという試算が出ており、より高度な技術を持つ情報セキュリティ人材に至っては、総務省試算で2022年時点で既に19万人以上不足しているという試算結果も出ています。
IT企業はもちろんのこと、PCを使う業務がある職業であればどこでも、プログラミングできる人材は業務効率化に貢献するため、重宝されます。プログラミングを身につけることは、将来の就職活動にも役立ちます。