2年連続合格者数No.1となった青山高校。今回はその実績責任者である有田先生にお話を伺いました。No.1を獲得するまでの裏側や、そのストーリーを紹介します。
東京地域 地域責任者 有田先生


東戸塚校に配属、その後に新規の蒲田校室長を経て、大森校室長+大田BL長に就任。その後は湘南、東京のエリア長の経験を経て東京統括に。現在は最多66教室を抱える管理職となっていますが、J-1グランプリ小中代表を務めるなど授業へのこだわりも人一倍の講師です。
臨海全体で出した合格者数
ー青山高校の合格者数No.1となった感想を教えてください。
競争相手が多い進学指導重点校ですので、非常に嬉しかったです。
毎日、他塾さんのHPをリロードして確認する日々でしたからね。
青山高校は、高校受験科と小中学部+個別指導セレクトが50:50の比率に近い合格数となります。
多くの事業部が存在するからこそ獲得できる青山No.1。そういう意味でも臨海らしいNo.1ではないかと思います。関わる人が多いからこそ喜びも大きいです。
高いレベルでの経験を積める
ー青山高校の特徴・良いところとは。
学習面で言えば東京都の認定する7つの「進学指導重点校」の1つ。
その為、2017年からは英数国の入試問題で「自校作成問題」を設定しており、合格のハードルは低くありません。卒業時の学力も今年の実績が東大7名、早慶120名合格と抜群です。
とはいうものの、生徒目線で言えば、「あか抜けた都会的な難関校」という印象でしょう。
最寄り駅は外苑前駅となりますが、渋谷も原宿・表参道も南青山も近くて、学校帰りの遊び場所に苦労することはありません。卒業するころには都会的なセンスを身につけた生徒になると思います。
受験指導の強みとは
ー担当地域の受験指導において、工夫しているところがあれば教えてください。
西東京市と八王子市に偏る八王子東高校と違い、青山高校は都内の城南・城西・城北・城東など広域に展開します。遠方では足立区や江戸川区の方からも多数の受験生が受けます(元々学区トップだった両国高校が中高一貫校になってしまったため)。
多くの地域の臨海が絡むからこそ、独立して動く部分と共有して動く部分の住み分けが大事だと思っています。具体的にはESC難関高校受験科や個別指導セレクトの受験生は各チームに任せる一方で、小中学部内では地域を超えて一体感のある行動と管理を行っています。この辺りは神奈川県でも行っている指導を参考にさせていただいています。
ー青山高校、合格者数No.1となった受験指導の強みを教えてください。
自校作成問題への対応は早い方がいいです。夏期講習中期からUGクラスでは進学指導重点校を想定したクラス設定にして、その会場で最高の授業力を持つ人が担当していきます。私も毎年、そういうクラスを担当させていただいています。
そして2学期からは自校作成Vもぎ、自校作成V過去などを駆使した授業を展開し、とにかく自校作成問題への対応力を高めます。
また、今年度は適切な受験校設定のための進路指導の精度を高め、普通科でも高受と同等の合格率を出すことが出来ました。適切な生徒に適切な指導を。これが青山No.1の鍵でした。
プロの進路指導とは
ー学力UP・合格率を高めるために行った指導は。
松山先生(現・取締役専務)に「これこそプロの指導だ」とお褒めいただきましたが、適切な進路指導を重視しています。
都立高校の難関校は上位から「進学指導重点校」「進学指導特別推進校」「進学指導推進校」の3グループに属しますが、生徒一人ひとりの合格可能性をSABCDEランクの6段階に分けています。
その中で「ランクによって適切な進路指導」を実施しています。例えば、「DEランクは1つ下のグループを推奨」「Sランクは1つ上のグループを推奨」など様々な基準を設定しました。結果、どの受験帯でも合格率で受験生全体を上回り、「臨海に通っているからこそ、適切なプロの進路指導を受けられる」という付加価値を生み出すことが出来ました。
小学生のうちから土台を作成
ー高校受験へ向けて、小学生のうちから塾に通うメリットはどういうところですか。
「高校受験は小5から」と思っています。そのための土台作りを小学3、4年生から行っています。中学生に入って数学などで躓くのは、結局は小学5、6年生の計算技能が未熟である事と、空間把握能力が弱い事が原因です。国語も同様です。教育の現場に立っていると、肌地として小学5年生から差がついていく事を感じています。
そして塾を「楽しい場所」と認識するなら低学年の方が有利です。
『早い時期から塾を”ホーム”にし、中学につながる技能を楽しく学ぶ環境に身を置く事』が中学に入った時に大きなアドバンテージに繋がります。
ー中学校1、2年生向けの、青山高校合格への指導の特徴は。
「習ってない問題が出た」という事を、不満にしてはいけないと思います。
定期テストと違い、入試問題は「習ったそのままの形では出ない」ものですが、それでも似たような傾向があります。それに比べて青山高校は自校作成問題なので、年によって全く異なる問題が出題されることもあります。似たようなものしか出来ないという対応力では次々と変化する自校作成問題対策を乗り切れません。ですので、「習ってない問題が出た」という部分を不満ではなく、「これで対応力が拡がる」とポジティブに捉えられるようにしていくことが大切です。
社会に出ても通用する力
ーこれから、受験学年を迎える生徒にメッセージをお願いします。
受験というものは、未来の縮図だと思います。
将来、社会に出て生き抜く全てが「受験の戦い方」に詰まっています。
・早く始める事がアドバンテージになる。
・苦手なものをどうカバーするかが総合力を決める。
・うまく他人を頼ることでピンチを早く脱出できる。
等々。受験を通じて社会に出てからの戦い方を学んでいるという自覚をもって取り組む事で、受験の価値を2倍にも3倍にも感じられる事でしょう。試行錯誤、大いに結構。受験を楽しんでください。